小学校国語4年 【ごんぎつね】物語を評価し批評文を書く
高島市立安曇小学校 萩野 勲
「ごんぎつね」の物語をどのように評価するか考え、交流を経て批評文を書く単元計画です。
シンキングツール使用のポイント
物語の概要を理解した後の読解を深める段階(展開1~3)において、登場人物の心情の変化を比較したり、物語の結末について叙述と照らして統合したりする学習を通して、物語の評価(展開4)の方法について学びます。また、展開4では、展開1~3で作成したシンキングツール内のカードを活用し、評価のための思考を促します。
題材についてのポイント
本教材は、美しい情景描写とともに「ごん」や「兵十」の心情の変化が描かれており、ドラマチックな場面展開で読み手を惹きつける物語です。子どもたちが「ごん」や「兵十」の視点から、登場人物の心の揺れ動きを機微に捉え、思考を深めることができるよう発問の工夫が求められます。
「ごんぎつね」は著作権フリーの教材文であるため、オンラインを通した学習や研修で利用しやすいです。
授業全体の流れ
https://gyazo.com/d57a464e6bbf9740f774b7a996aba29c
STEP1 導入・課題設定
「ごんぎつね」の世界観とともに物語の概要を理解する。
昔の道具、自然の情景、動作の様子を表す表現の3つの視点から個人で着目した表現をカードに書きだし、物語の世界観つかみながら、あらすじを捉える。
単元のテーマ「「ごんぎつね」の物語をどう評価するか、3つの段落を経て説明しよう」を確認する。3つの段階を経て批評文にまとめることについても確認する。
https://gyazo.com/b9b44819b195b79954dac22ff456390c
STEP2 展開1~3
展開1 ごんと兵十の性格を比較する
それぞれの性格について、ベン図で比較しながら読み取り、共通点を見出す。
https://gyazo.com/5a4630797c68912883813130f8eea92b
展開2 ごんの償いの種類と意味を比較する
複数回ある償いについて、兵十の喜びとごんの気持ちとの関係を座標軸をもとに考え、ごんの心情の変化の読みを深めていく。
https://gyazo.com/75dc8acb7d9877f220aec949e2e831b2
展開3 ごんにとって満足な結末だったのかを考える
ごんが兵十に撃たれる結末について、ごんにとって満足な結末だったのかどうか、ピラミッドチャートをもとに考察する。中段には自分の考えを書き、下段には根拠となる叙述を並べる。
https://gyazo.com/e83c7ce893c6b48c0e506de6bc6e853d
STEP3 展開4
物語をどのように評価したか考え交流する(展開1~3のカードを活用)
フィッシュボーンを用いて、30字程度で物語を評価する。フィッシュボーンの観点は、展開1~3で取り組んだ内容とする。
それぞれの観点に入る「骨」の部分には、展開1~3で作成したカードを用いる。
https://gyazo.com/12925cd09245c67da049cc7ab2c09997
STEP4 まとめ
展開4で作ったフィッシュボーンと交流したことを踏まえて批評文を書く
このフィッシュボーン自体が文章構成の「中」の部分となる。